消え行く文化
「酒」に限って言えば日本の秋の最大のイベントはボジョレー・ヌーヴォー解禁ってところか・・・。
悲しい限りである。
今頃の季節は我が国の文化である「日本酒や芋焼酎の新酒が市場に出始めウキウキする季節」であっても良いはずなのに。 今や各々の蔵元やごく一部の酒販店だけが祝事・祭事を行うのが普通になってしまった。
食文化は著しく変わりすぎた。
昭和40年を過ぎた頃から地元の旬の食材に飽きた主婦達はこぞって「料理の素」を購入して味の変化を求めた。メーカーもこれを機に大きなサイドステップを繰り返した。
「味の素」「ホンダシ」なんか良い例だね。
結果として日本酒には極不向きな食文化が台頭した。
所謂「濃い目文化の到来」。
ここに日本の「限りなく素」を求める文化は崩壊した。
基本的に日本酒はその生い立ちに味の本質を置く。
山文化の地域ならその味覚を生かす酒質を求めたし、海文化の地域ならその味覚を生かす酒質を求めた。
だから少なくとも地元には愛されてきた。
それが「地酒」の本来の姿であった。
ところが今や全国的に料理の平均化が著しい。
ハウスのシチューや丸美屋のマーボー豆腐やS&Bのカレーを使って地元の酒を出されてもねぇ、妙な話しになっちゃうのである。
昨日、酒林を作りに行った。
参加者は30名程度。
さほど大きくも無さそうなイベントだけど蔵元はこれ以上参加者を増やせないと言った。
不思議に思い理由を聞くとそれがかなり意外だった。
なぜなら、それは「杉の伐採や育てる人が減ったから」と言うのである。
杉は酒林のための枝を切ると更に上に伸びてしまいどんどん高いところに枝が生え、今や素人の枝切りは危険が高すぎる位の高い位置にしか枝が伸びない。
伐採するわけでも無し、新しい木を育てる状況にも無ければ枝は摘めなくなる。
そうなれば酒林の作りようも無いわけで。
蔵元の従業員の独りが呟いた。
「酒林も衰退する分野なのです。」と。
自作の酒林は未だ行く先定まらず。
でもネットで見つけちゃった。
酒林の
市場価格。
恐ろしい価格である。
さて、どうすんべえ。
ちょっと変わったリースって事で表に飾っておくか。
更に酒蔵より手土産に酒粕を5キロ頂いた。
私、現在42歳。
この酒粕を使い切る技量も知識も無い。
さて、どうすんべえ。
近所に売りつけようかな
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