団塊の背中
見送る目に涙が溢れて・・・
S課長には随分と迷惑をかけた。
入社した頃の私は自信満々、唯我独尊。
そんな私をなだめながら、ゆっくり育ててくれた14年。
後ろ追ってた頃は長く思っていたけれど
「もっと教えて欲しかった・・・」と、今は思う。
昨晩、近所の居酒屋で2人だけで呑み交わす「有終」。
私では役不足?とも思ったけれど・・・。
悲しいかなS課長から私までを埋める世代が会社には皆無。
そんな所から感じる会社の体制の歪み。
S課長はストレスでの戦線離脱。
既に58歳だから再就職は今より上の収入は望めないだろう。
ある意味「労働者としての卒業式」である。
その時間(卒業式)は「叶わなかった思い」や「今だから話せるネタ」で溢れた。
が、やがて頃合を見たS課長によって締められた。
駅まで見送り「本当に今までありがとうございました」と感謝を告げる私にS課長は
最後は振り返りもせず「じゃあ、頑張れよ」と言って去って行った。
その背中に自然と涙が流れた。
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